最高裁判所第一小法廷 昭和56年(オ)778号 判決 1984年3月08日
主文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人の負担とする。
理由
上告代理人野田満男、同永田晴夫の上告理由第一について
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、ひつきよう、原審の専権に属する証拠の取捨判断、事実の認定を非難するものにすぎず、採用することができない。
同第二について
原審が適法に確定した事実関係のもとにおいて、本件企業体が東京都から受注した工事につき、その全部を東洋鋼管建設が自己の計算で単独で施工し、被上告人はなんらこれに関与しないものとする趣旨の右両者間の合意を被上告人において第三者に対して主張することが許されないものではないとした原審の判断は、正当として是認することができる。所論引用の判例は事案を異にし、本件に適切でない。論旨は、採用することができない。
同第三について
所論の点に関する原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らし、正当として是認することができ、その過程に所論の違法はない。論旨は、原審の認定しない事実に基づいて原判決の違法をいうものにすぎず、採用することができない。
(裁判長裁判官 藤崎萬里 裁判官 谷口正孝 裁判官 和田誠一 裁判官 角田禮次郎)